手元供養とは|仏壇仏具まつかわ
2021/07/21
手元供養とは
手元供養とは自宅や身近なところに遺骨の全部または一部を保管して供養する方法です。まだ比較的新しい供養方法です。手元供養が広まっている理由としては、マンション暮らしで大型のが置けない、家族構成や住環境の変化が背景にあります。 そこで、遺骨をお墓に安置せず自宅に保存する手元供養を選択する人が増えています。
今までの日本の慣習では、遺骨は四十九日までに納骨することが一般的です。「納骨しなければ成仏できない」といった声もありますが、これは俗説であり仏教の考え方からも納骨しないと成仏できないということではありません。 遺骨の取り扱いについては、「墓地、埋葬等に関する法律」で定められています。遺骨を埋葬する場合は、都道府県に認可された正式な墓地でのみ認められます。好きな場所に埋葬するのは法律違反ですが、遺骨を必ずしも墓地に埋葬しなければならないと決まっているわけではありません。自宅や仏壇に安置して供養することは法律上問題ありません。
手元供養のメリットやデメリットは?
近年、手元供養を選択する人が増えているのは、単に「お墓がない」、「お墓が遠い」という理由だけではありません。お墓に遺骨を納めず自宅で管理する、遺骨の一部を身に着けておくことで、故人を身近に感じ、日々の暮らしの中で故人を思い出し、偲ぶことができます。ここで手元供養のメリットやデメリットを説明します。
手元供養のメリット
手元供養は、故人を身近に感じることができることが最大のメリットといえます。お墓参りにいかなくても、自宅で供養することができます。また、故人が見守ってくれているような安心感もあります。また、お墓や仏壇を購入するのと比べれば、金銭的負担が少ないのも手元供養の魅力です。 また、手元供養はコンパクトなものがほとんどですので、マンションやアパートであっても保管場所に困りません。部屋やインテリアとの調和も気にせず設置することができます。また、高齢者施設等で生活する場合でも、手元供養であれば持っていくことができますので、故人を供養することができます。
手元供養のデメリット
手元供養は遺骨を自宅等の身近な場所に保管するまだ新しい供養のかたちです。そのため、ご遺族やご家族の理解を得られない、反対されるというケースも少なくありません。まずは、手元供養をしたいという意向を伝え、周囲の方としっかりと話し合う必要があります。 また、手元供養を行う前に考えておかなければならないのは、「ご自身で遺骨を管理できなくなった時どうするか」ということです。遺骨は自由に埋葬したり処分したりできませんので、ご自身にもしものことがあったときに、手元供養している遺骨をどうするのか決めておかなければ、残された人に遺骨の保管や埋葬を任せることになり、負担をかけてしまいます。
手元供養の方法
火葬場で収骨する際に使用する骨壺はサイズが大きいため、そのままご自宅で保管するには場所をとってしまいます。そこで、ミニサイズの骨壺に遺灰や遺骨の一部を納めて、自宅に保管します。ミニ骨壺は世代を問わず人気があります。ミニ骨壺と合わせてごや故人のお写真を飾れば、リビングや寝室のちょっとしたスペースが仏壇に早変わりします。しっかりと供養したい、仏壇の代わりにしたいという年配の方におすすめです。 ミニサイズの骨壺は、バリエーションが豊かで素材やデザインもさまざまですので、きっと故人のイメージやご自身のお好みに合ったものが見つかります。 骨壺の素材は、磁器やガラス、真鍮、ステンレス、中には金、銀で作られたものもあります。保管するお部屋の雰囲気やインテリアに合わせて選ぶのもおしゃれですね。
手元供養はどの宗教でも行える?
手元供養は、宗教や宗派に関係なく行うことができます。無宗教の方や、仏壇を置くスペースのない、お墓が遠い、家族がいないなど多様化する現代の暮らしにマッチした供養のかたちといえます。特定の宗教でも無宗教でも可能 宗教の考え方によっては遺骨や遺灰を自宅に保管することをよしとしない場合もありますが、細かい形式がないのが手元供養の良さでもあります。 宗教や従来の常識にとらわれず、ご自身のライフスタイルや考え方にあった手元供養で故人を身近に感じられることが一番のご供養です。 大切な人をお見送りするのにふさわしい葬儀はもちろんですが、大切な人を亡くされたご家族がしっかりと偲び、故人を身近に感じられるようなご供養のかたちをご提案するのも葬儀社の大切な役目です。